コンクリート

■環境型コンクリート

コンクリートは地場産業である。1.5 時間圏内の場所にしかレディーミクスト・コンクリートは対応できないため、
セメント以外は地場で確保することが望ましい。そして、セメント生成やコンクリートを作り上げることで膨大な
CO2 を発生させる。このことから、各地域の場所にある砂利や砂を利用したい。しかし、殆どの場所でその材料は
枯渇している。そこで、各地域で眠っている使用されていない材料や破棄されている材料を見直すことで新たな
環境型のコンクリートを開発したいと思い、プロジェクトを立ち上げた。

シラス・コンクリート(鹿児島県)

鹿児島県は桜島があることから毎年膨大な量の火山灰が降り注ぎ、殆どが迷惑なゴミとなっている。1 万年以上前に降り積もった火山灰の堆積物を「シラス」と呼び、その利用法は極少量である。
そこで、アトリエ・天工人の山下と東京大学の野口準教授と、10 年以上シラスの研究をされてきた鹿児島大学の武若教授と東京大学の佐藤特任教授の4 人が中心となり、高耐久、高流動の次世代型のコンクリートの開発を2012 年から行っている。

キラ・コンクリート(愛知県)

愛知県瀬戸市は言わずと知れた焼き物の街であり、世界的に見ても上質な土の採取が可能な地域である。焼き物や瓦やタイルの原料となる土を採取した後に捨てられているものを、通称「キラ」と地元では呼んでいる。この破棄されているキラを使用したコンクリート生成のプロジェクトがスタートした。

コンクリートの建築を見る