Earth Bricks / 土プロジェクト

TEKUTO STORIES 001

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Project Team/ プロジェクト・チーム

新しい工法・素材を開発することは様々な困難を伴います。私たちは土を使った構造体を開発するにあたり、強力なプロジェクト・チームを結成しました。メンバーは、研究機関である東京大学、早稲田大学、材料の提供および技術的支援として民間企業、そして意匠設計、構造設計を行う建築家、構造家です。

専門家の知見、民間企業の経験など、さまざまな人々が関わることで、世界で初めての試みも着実に具現化することが可能になります。

 

Experiments/ 材料実験・構造実験

2008 年に始まった勉強会では、世界に既にある土レンガなどの建築の情報収集を行いました。なかでも、ドイツのゲルノート・ミンケ氏の研究は優れており、その著書の翻訳・出版も行うことになりました。

土に何を混ぜれば、現行法規を満たす強度が発現されるのか。試行錯誤の日々が続きました。環境に負荷の少ない自然添加物の中から、必要な強度を満たす添加物を見つけるのは至難の業でした。
早稲田大学では材料研究の輿石直幸教授の指導の下、混和物および比率検討の材料実験、圧縮強度実験をおこないました。土構造体の配合が見えてきます。東京大学では、工法研究の松村秀一教授の下、土ブロックを使った壁モックアップの製作および、土ブロックのせん断実験を行いました。構造体の配合、ブロック状の形態、目地との接合など、さまざまなハードルをクリアすることができました。

 

Magnesium oxide/ 酸化マグネシウム

多岐にわたる情報収集・調査、様々な実験と検証を経て、私たちのプロジェクト・チームがたどり着いた結論は「酸化マグネシウム」でした。海水を煮沸することで得られる「酸化マグネシウム」は、海がある限り地球上から尽きることがない自然由来の素材です。

陸地のどこにでもある「土」と、広大な海から採取される「酸化マグネシウム」が結びつくことで、これまでの日干し煉瓦では得られなかった強度のある、土の構造体「土ブロック」が実現しました。自然由来の素材のみを使う「土ブロック」は、解体後ももう一度、再利用することができます。

環境に負荷の少ない<循環型の「土ブロック」による建築生産システム>が可能になったのです。

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