Ethiopia・Millennium・Pavilion

天工人ストーリーTOPへ戻る

7:3の法則

私たちは、伝統的なものへのリスペクトを払い、7割は古来のものを継承する、3割だけ新しいものを加えるというスタンスをとっています。
ここでの3割は、3つの要素に集約されます。

1. 日本から持ち込んだガラスブロックを、石積みの壁の上にぐるりと積んでハイサイドの窓とし、空間に光をもたらしました。
2. 屋根を支える梁組みを、これ以上ないくらいシンプルにまとめました。
3. 世界遺産である500年前の古い教会を参考に、伝統的な編み天井を再編集しました。

この3つのデザインの編集によって、室内の空間が大きく変化しました。

 

 価値の再編成

こうして、みすてられていた日本の古民家とエチオピアの円形住居が、「エチオピア・ミレニアム・パビリオン」の日本館、エチオピア館として生まれ変わりました。
使われなくなった建築を社会、文化の異なる環境に移築し、3割の新しいデザインを加える事で、伝統と革新の融合による「価値の再編集」が生まれたのです。

 

 

ふたつの文化が出会う

「エチオピア・ミレニアム・パビリオン」は、日本とエチオピアふたつの文化が出会い、新しい活動が生まれる場所となりました。
両国の交流事業や音楽、舞踏などの芸能、それらに関連する展示・販売等を行う社会・文化施設として運営されています。

建築は、ハードの構築だけではなく、ソフト(文化)の組み立てを考える必要もあります。
みすてられたものにも価値がある。
移築という手法を用いながら、グローバルでもリージョナル(地域限定)でもない新しい建築のあり方を実現したプロジェクトでした。

 

 

1 2 3