椎木舎

20世紀は、大きな忘れ物を二つしてしまった。
一つ目は地域の歴史や文化を引き受けること、二つ目は自然と人との親密性である。
そこで、この建築がある山口県の素材や構法を使用し、自然と人をつなげる中間領域としての5つの中庭や縁側を設ける案とした。この考えはクライアントからの要望がきっかけとなった。
「この敷地がある下関や山口県に関係する人やモノを使用して欲しい」

<地域素材構法の地産地消>
山口県の様々な素材の専門家に案内してもらいながら、使用されなくなった素材や構法を探し出し、山口県の人々で創り上げることを考えた。
構造材は土台・柱に山口県産の桧・杉を使い、仕上材(床の縁甲板、家具の材料、扉の突板)は山口県産の椎木を使用した。木材の他にも、山口県美祢産の大理石や長石カスミ石、美祢産の赤土を左官材料に混ぜて使用している。
周囲の黒い板塀には山口県産の杉を540枚使用した。これを地元の学生やボランティアの人々で焼き上げた。

<自然と人をつなげる中間領域>
この敷地は前面道路との隣家の専用通路に面しており、その通路は緩やかに傾斜し高低差は最大で2mを超える。その上に、多角形の敷地形状であるため、建物の配置計画は慎重に行った。最初に駐車場以外の敷地の周囲を塀で囲い、常時住まわれる60代のご両親と息子夫婦の別荘的役割を担う建築として必要な機能を矩形で形作った。そこから自然発生的に変形した5つの中庭が生まれた。それは、自然と人の距離をやわらげる場所であり、憩いの場所ともなった。

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竣工2013/11
所在地山口県下関市
建築用途個人住宅
敷地面積245.74㎡
建築面積110.82㎡
延床面積146.98㎡
構造木造
階数地上2階建
意匠設計山下保博+渡辺美帆/アトリエ・天工人+松山建築設計室
施工管理山下辰信+松山靖信+柴田昭子/山下建設株式会社
写真撮影SOBAJIMA, Toshihiro

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