coconedoco(ココネドコ)喜界島

奄美群島の喜界島は奄美大島の名瀬港から船で2時間、奄美空港から飛行機で15分の位置にあり、面積約56k㎡、人口約7千人の小さな離島である。
その中心地に立つ築36年の鉄筋コンクリート造平屋建ての事務所ビルの一角から銀行が移転し、空き室が出来た。そこにビルのオーナーが町の活性化に期待して宿泊施設を企画したことがきっかけである。

「coconedoco(ココネドコ)喜界島」と名付けられたその宿泊施設はバックパッカーや若い旅行者が15名宿泊できるドミトリータイプの宿泊施設である。
面積の約半分を宿泊者が調理や食事ができる共用部として、周辺の住民も自由に使えるラウンジとした。
宿泊部はシャワーなど水廻りを含めて、暗証番号で宿泊者のみが入室できるようにセキュリティを確保している。

モルタル素地の床やラワン合板などのラフな仕上げを使いつつ、水廻りなどは上質な機器類を配し、女性にも泊まりやすい専用室を設けるなどきめ細かく設計し、古さと新しさを同居させるデザインを意識した。

外装には国産の杉材(?)を特殊アルコール樹脂処理により30年以上の耐久性を持たせた材料でルーバーを作り、共用部に入り込む強い西日を防ぐと同時に夜は賑わいを程よく街ににじませる効果を担っている。。
芸術大学の若い学生が田中一村に対するオマージュとしてデザインした図柄を、同じビルに作業場を構えるベテランの看板職人に手書きで再現してもらい、新旧の力を合わせて看板を制作した。

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竣工2019
所在地鹿児島県大島郡喜界町
建築用途宿泊施設
敷地面積778.93㎡(235.86坪
建築面積155.93㎡(47.21坪)
延床面積155.93㎡(47.21坪)
構造鉄筋コンクリート造
階数地上1階
意匠設計水上健二/アトリエ・天工人+小野木透/奄美設計集団
構造設計本岡淳一+吉岡正人/本岡構造設計事務所
施工管理沖島/(有)丸福
写真撮影水上健二、小野木透

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