胡桃の舎

この建築の敷地は、名古屋駅から車で 30 分程度の新興住宅街にあり、敷地内に1.9mの段差を持つ特異な形状であった。クライアントの要望は、
「絵を描くアトリエを内包する住宅で、シンボリックな形態と家族が豊かに生活できる空間」であった。敷地の調査や設計を進める中でテーマが決定した。それは、20世紀に置き去りにされた「その地域の固有性」と「敷地の読み取り方」である。

「その地域の固有性」として、この地域の素材を多方面からリサーチした。そして、構造材には愛知県奥三河の檜、内部の仕上げ材としては、貴重な胡桃を多く使用した。外壁は瀬戸市の硅砂を混入し、職人と共に試行錯誤を重ねた。特に、その地域の素材や伝統工法を再編集し、如何に次の時代に引き継ぐかに注意を払った。
「敷地の読み取り方」は、敷地と近隣を見たときの違和感から始まった。敷地周辺は、新興住宅地ゆえに新しい住宅が多く、敷地内段差を建築と駐車場との境界程度の扱いとして考えられていた。その段差までも建築の部分として捉え、支持する擁壁すれすれにキャンティレバーで2.3m飛び出させた。ピロティー部は車の庇とし、上部は室内と連続するテラスを配置することで浮遊感と内外の連続感を生み出した。
この建築が近隣に対しての不協和音として捉えられることなく、地域に対して有意義な建築であることを望んでいる。

掲載雑誌

【海外】『Eikyo(影響)』 #17 (スペイン)

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竣工2014/02
所在地愛知県名古屋市
建築用途専用住宅
敷地面積152.77m2(46.21坪)
建築面積76.35m2(23.09坪)
延床面積115.31m2(34.88坪)
構造木造
階数2階
意匠設計山下保博+友寄篤/アトリエ・天工人
構造設計高田雅之/RGB STRUCTURE
施工管理渡邊工務店
写真撮影SOBAJIMA, Toshihiro

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