地域素材を使った外壁左官壁の下地材として、今回は地場の桧の木摺りを使います。最近ではベニヤ下地となる事も多いのですが、今回施工をして頂いている渡邊工務店さんが材木に強く、現場監督さんは「ベニヤより安いくらいの感覚です」と話しています。
見慣れないと遠目に見て仕上げかと勘違いをしそうです。クライアントさんと現場で決めたバルコニーの斜めの手摺腰壁や内部の断熱吹付け工事も順調に進んでいます。
中部地方の地域素材というと、何と言っても「木曽ヒノキ」が有名ですが、今回は愛知・東海エリアの地域素材を掘り起こしながら仕上げの選択をしていきます。愛知県瀬戸市と言えば、「瀬戸物」として焼き物が有名です。それは良質な「陶土」がある事と強い関係があるのですが、実は「硅砂」の産出量も非常に多く、この硅砂を使ったり、硅砂を生成する際に排出される「キラ」という廃棄物を使うことが出来ないかという事を職人さんを含めて打合せをしていきます。
写真左は、硅砂を骨材として使用した土間仕上げです。今回の現場に入って頂く左官職人さんが20年近く前に施工したのですが、いまでも問題はありません。写真右は「キラ」を骨材として使った外壁の左官仕上げのサンプルです。色や押さえ方を数パターン試して頂き、建物全体の仕上がりをイメージしながら、何度もやり取りをして仕上げを決定していきます。