エチオピア・ミレニアム・パビリオン

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古民家を輸送する

プロジェクトはまず、日本の古民家をエチオピアに輸送することから始まりました。
島根県大田市から寄贈された古民家を、1週間かけて解体した後、柱や梁、障子などの躯体をコンテナへ積んで、ゴンダールへ輸送します。
ただし、地域資源の再利用するために、遠距離輸送で環境に負荷をかけては本末転倒です。
使われない古民家の多くは、解体されて焼却される運命が待っています。そこで、古民家を解体・焼却した場合と、移築した場合のCO²の排出量を試算しました。

約17坪の古民家の解体により生じる木材6,453kg を焼却した場合、約10.6トンのCO²が発生するのに対して、移築のために木材をトラックと船舶で輸送した場合は、約2.2トンのCO²発生量にとどまります。つまり、今回のプロジェクトにより、約8.4トンのCO²排出量を削減できることがわかりました。
(森林総合研究所、国土交通省、商船三井のCO²排出量算出方法を参考)

 

エチオピアで日本建築を建てる

ゴンダールでは、躯体と障子の桟以外の材料はすべて現地で調達、アトリエ・天工人の監修のもとで、現地の職人が組み立てました。
土台をつくる際には、「石場建て」の工法を指導しました。石場建てとは、建物を基礎に緊結せずに、基礎石の上に柱を乗せるだけの日本独自の伝統構法です。
日本館の構造は、柱や梁を組み上げていく木造軸組工法です。石積みの工法に慣れている現地の職人たちにとっては、木造軸組みは初めての経験でした。

 

日本建築と現地素材の融合

日本館の躯体以外は、現地の材料を使っています。
障子には、和紙の代わりに地元特産の薄い布を貼りました。屋根は、竹シートの上に防水のためにトタンを葺き、そのうえからパピルスを葺いています。
エントランスには、石積みの塀とユーカリの木の柵で囲い、地面には石を敷き、建物と庭が融合する日本建築の空間に見立てました。
エチオピアの素材と、現地の職人の手によって、日本の伝統的古民家が再生されたのです。
こうして島根県の古民家が、ゴンダールによみがえりました。

みすてられた円形住居

一方のエチオピア館は、同じく空き家だった伝統円形住居の素材を使用し、現地の構法で建て直しています。みすてられて、朽ちつつあったエチオピアの伝統的住居を移築しました。
現地の人々は、少し豊かになると、コンクリート造りの家に移り住みます。そしてこのような家は古くみすぼらしいものと考えられ、使われなくなった石積み住居が多く捨てられていました。

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