2011年の東日本大震災の際には、南三陸では広範囲にわたり津波の海水によって塩害を受けました。私達は地域住民との会合の中で、塩害のせいで農業には使えなくなった土があり、地域では処理に困っているということを知りました。私達は土を建築材料として扱ってきた独自の経験と施工技術を持っているので、地域の方はこの塩害を受けた土を使って建築をつくってほしいとの依頼を受けました。そこで私達は南三陸の土を採取し、リサーチを重ね新しい構法の研究をしました。
施工の間、アトリエ・天工人のスタッフは地元の住民、企業や大勢のボランティアの方たちとワークショップを行いました。自分達の手で土ブロックをつくり、ひとつひとつ積んで建築をつくりました。この土ブロックの施工には特別な技術も必要ないため、避難所に住む多くの方たちも我々のワークショップに参加してくださいました。
LEAF Awards 2013 最優秀賞受賞(サスティナブルな開発部門)
竣工 | 2012.12 |
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所在地 | 宮城県南三陸町 |
建築用途 | 備蓄倉庫 |
建築面積 | 9.98㎡ |
延床面積 | 9.98㎡ |
階数 | 地上1階 |
意匠設計 | 山下保博 / アトリエ・天工人 + 天工人ラボ |
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写真撮影 | 傍島 利浩 |