アトリエ・天工人4本の柱

限られた面積で最大限に空間を導き出す

背景

国土の7割が山地で海に囲まれた日本は、居住できる土地が限られており、狭い土地の中で地震や台風といった自然災害と共に豊かに暮らす工夫を積み重ねてきました。「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」という言葉が表すように、身の回りの空間に対してミニマルに律する禅の思想が、日本人の考え方の中に深く根づいています。

着想

人が暮らすために必要最低限の機能性を確保しつつ、居住空間に自然を取り込むことで、数値が表す空間よりも解放感を得る事が可能となります。

プロセス

「ぬけ」を考える

直接的または間接的(心理的)に外部とのつながりを持つことで空間を広く感じさせる手法です。
例えば建物がせめぎあう市街地の中で、ほとんど唯一と言える大自然は「空」です。隣地からの視線を遮りつつ空に向けた開口部をとることで、自然とのつながりと空間と抜けを獲得します。
また太陽の光や風を感じて間接的に自然とつながりを持つこともあります。

平面ではなく断面で考える

平面だけでなく、三次元の空間の中で空気の動きや光の道筋、機能性を考えた空間のつながりを導き出します。

色と質感を統一させる

卵の殻ように視点が留まらない同一の面が続く中にいると、距離感の錯覚が起きます。それを利用して、空間に広がりを持たせる工夫をします。

建築実例

Zenith AKASAKA

OH House (Project1000)