奄美大島について
奄美大島は沖縄と屋久島のほぼ中間にあります。独自の文化と自然を何千年も維持し、世界自然遺産登録を目指している(※)奄美群島最大の島で、約6万人の人口です。交通の便は良く、一日に往復で44便も飛行機が発着します。
文化は、琉球王朝時代、薩摩藩時代で培った唄や踊り。アマミノクロウサギに代表される森の自然が豊かで、美しい砂浜とサンゴの海に囲まれています。主な産業はサトウキビとフルーツで、昔は泥染めによる大島紬が基幹産業でした。手付かずの自然も多く残っている一方で、本格的なリゾート施設はありませんでした。
(※2018年5月現在)
既存施設の研究
山下が奄美大島出身であること、個性的で小さな建築の空間を数多く作ってきたこと、様々な地域の素材を活かす構法や構造を開発し建築を作ってきたこと、長期間にわたりリゾート施設の研究を続けていることから、このプロジェクトを任されることになりました。
これまでのリゾート施設研究をふまえつつ、今回の計画に際し、改めて奄美大島内の既存宿泊施設の調査を行いました。
その結果、奄美大島は観光地として魅力的な島であるにもかかわらず、ゆとりのある高級なリゾート・宿泊施設が不足していることがわかりました。ハイグレードな宿泊施設・顧客をターゲットとすることで、既存の施設とのすみわけ、新たな市場の受け皿となることを計画しました。
敷地探し
2015年3月から、リゾート施設にふさわしい敷地探しを山下自らが行いました。最終的に選ばれたのは、南東に面した高低差が25メートルの崖地で、緩やかに斜面を降りて美しい砂浜へと至り、プライベート感溢れる場所です。ここを、奄美の昔ながらの海辺の風景に近づけるように、崖を造成し建物を配置していきました。工事は2016年8月から始まり、2017年11月に竣工をむかえました。
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