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奄美大島で初『伝泊 The Beachfront MIJORA』が2021年度グッドデザイン金賞を受賞

山下保博 および山下が代表をつとめる建築設計事務所アトリエ・天工人(東京都渋谷区)が設計した宿泊施設『伝泊 The Beachfront MIJORA』は、このたび公益財団法人日本デザイン振興会主催の2021年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。奄美大島では初となる金賞受賞で、今回の受賞では、宿泊施設のデザイン的な練度、及び建築家自らが奄美の地域課題を多方面から解決し島の持続的な運営を目指す活動内容、新たな職能のあり方の提示という点で評価をいただきました。当社では今回の受賞を契機に「伝泊」※のブランド認知拡大を図るとともに、地域に利益を還元させ「誰一人、何一つ取り残さない社会」の実現を目指していきます。

※「伝泊」とは、山下保博が奄美群島で手がける、伝統的・伝説的な建築と集落と文化を次の時代に伝えるための宿泊施設です。詳しくは、以下「伝泊 とは」をご参照ください。

弊社代表 山下保博 受賞コメント
2021年度グッドデザイン金賞に選んでいただき大変感謝しております。また、建築だけでなくまちづくりとして本取組を評価していただけたことを何よりも嬉しく思います。奄美は今年世界自然遺産に認定されましたが、それ以上に何百年も小さな集落単位でそれぞれの文化・伝統を持っていることが特徴的な地域です。この独自の集落文化を守るべく、今後とも微力ながら支えていきたいと思っています。

グッドデザイン賞審査委員による評価コメント(一部抜粋)
奄美大島の分散型宿泊施設の計画。その目的は、介護や障害者ケアの不足、少ない就労機会といった島に内在する諸問題を解決し、持続可能な豊かな生活圏とすることにある。 施設は、ビーチフロントの新築のビラと、島内の既存古民家を改修した宿、そしてスーパーマーケットだった建物を改修したセンター施設からなる。審査対象となった施設群の宿泊者は施設内だけでなく、奄美大島特有のゆったりとした日常の暮らしの中を周遊し、島人とも交流することになりその経験自体が旅の喜びとなるのだろう。どの施設もデザイン的な練度も高く、建築家自らが島の持続的な運営を担うという新たな職能のあり方を提示しており、高く評価した。

施設名称:伝泊 The Beachfront MIJORA(WEBサイト:https://den-paku.com/the-beachfront-mijora/ )
施設概要:
伝泊 The Beachfront MIJORAは豊かな森と美しい海に恵まれた世界自然遺産の奄美大島にある高級ヴィラリゾート施設です。「島の自然と対話する」をコンセプトに、ガラス越しに広がる大自然を通じて日常の喧騒を忘れ、心をほぐす宿泊体験をお届けしています。

建築家:山下保博 ×(アトリエ天工人+奄美設計集団)
グッドデザイン賞ウェブサイトでの紹介ページ
https://www.g-mark.org/award/describe/52624?token=hDBFO59mIh

伝泊 とは
3種類の宿泊施設『伝泊 古民家』『伝泊 奄美 ホテル』『伝泊 The Beachfront MIJORA』と、複合施設『まーぐん広場』の運営を行い、観光客と地元住民との交流を促進するまちづくりを行っています。

奄美大島には、豊かな自然や生態系が育まれており、2021年には世界自然遺産に登録されました。同様に、様々な歴史の経過の中で約360の集落文化が何百年も継承されており、「しま」(集落)は世界に誇る奄美の貴重な文化資源です。それらを伝泊では「奄美の宝」と捉え、守りたい、未来へ伝えていきたいという思いから、2016年に「伝泊」はスタートしました。

グッドデザイン賞 とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。

受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。

https://www.g-mark.org

【受賞】「ボルトン」が日本コンクリート工学会・作品賞を受賞しました。

天工人代表・山下保博 が設計したオフィスビル「ボルトン」が公益社団法人 日本コンクリート工学会の作品賞を受賞し、2019年6月17日に開催された表彰式で賞状と楯を授与されました。

クライアントの「ボルトン工業」は、ボルトやナットを中心に数万点にもおよぶ建材を扱う会社です。この建築は、ボルトの形態にインスピレーションを受け、一筆書きのような、連続する壁と三次元的につながる空間を内包する形態を模索した結果生まれました。
予算は限られていたものの、交通量の多い産業道路に面するため防音に優れたRC造を採用し、地盤の弱さから建物の軽量化を追求し、コンクリート躯体を極限まで削り出した結果、見えて来たのが、このマスクメロンのような構造体でした。

低コストながら挑戦的な造形のコンクリート建築が実現したのは、長年のパートナーである施工の松岡茂樹氏と構造設計の佐藤淳氏とチームを組み、理解あるクライアントに恵まれたおかげです。実はクライアントの山本竜太郎社長と松岡氏は中学時代の同級生。一緒に表彰を受けることができ、大変光栄です。

ボルトンについて[建築実例ページ]


photo: 傍島利浩


photo: 傍島利浩

表彰式にて(左より松岡社長、山本社長、山下)

 

【プレスリリース】ネストアット奄美ビーチヴィラがアジア・パシフィック・プロパティ・アワードで2部門受賞いたしました

2019.03.06

山下保博 および山下が代表をつとめる建築設計事務所アトリエ・天工人(東京都渋谷区)と奄美設計集団(鹿児島県奄美市)の設計したリゾートホテル「ネストアット奄美ビーチヴィラ」が、アジア・パシフィック・プロパティ・アワードの「ホテル建築部門」と「新ホテル建設・デザイン部門」の2部門のダブル受賞を達成いたしました。表彰式は5月14日、15日にタイ・バンコクのマリオット・マーキス・クイーンズパークにて開催されます。

「アジア・パシフィック・プロパティ・アワード」は今年で26年目を迎え、商業及び住宅用不動産における開発、建築、インテリアデザインの45部門にわたり表彰する、アジア太平洋地域で最も有名かつ栄誉ある賞です。審査は80名の専門家からなる委員会により、デザイン、品質、サービス、イノベーション、オリジナリティ、サステナブルな取り組みなどの観点から行われています。
|アワード公式サイト|https://propertyawards.net/

写真提供:ネストアット奄美ビーチヴィラ  http://www.nestatamami.com/

「ネストアット奄美ビーチヴィラ」は鹿児島県大島郡龍郷町に2017年11月竣工、2018年4月オープンしたリゾートホテルです。奄美出身である山下保博が敷地探しから関わり、奄美の歴史や自然を読み解き、周囲の宿泊施設について入念にリサーチを行ったうえで計画されました。
設計コンセプトは「ハザマをデザインする。」広大な空の海のハザマの中での自己解放感、自然と人間のハザマで壊されてきた植生をできるだけ昔の姿に保全するランドスケープ計画、伝統と新しさのハザマの中で開発した、新たな建築フォルムと地域素材「泥染めイタジイ」が特徴です。「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」はユネスコの世界自然登録が間近と言われており、バラエティのある宿泊施設が必要とされています。この施設が奄美の本格的リゾートとして貢献することを願っています。詳しくは弊社ホームページをご覧ください。
|プロジェクト紹介ページ|https://www.tekuto.com/works/nest_at_amami_beach_villas
|構想から完成までのプロセス|https://www.tekuto.com/story/nest_at_amami

今回の受賞に際し、アトリエ・天工人代表・山下保博は次のように述べています。「10年近くアジアのリゾートを視察してきた中で、最初に設計にたずさわったリゾート計画が自分の故郷の奄美となったことをクライアントに深く感謝します。地域ごとのコンテクストを再構築しながら、新たなアジアン・リゾートを定着させていきたいと思います。」

奄美の伝統建築や動植物から着想を得た、プール・ヴィラ内観(写真:以下すべて傍島利浩)

プライベート・プールのあるプール・ヴィラの広いデッキ

大島紬の手法で染めた地元木材で外壁・屋根を覆ったプール・ヴィラ外観

昔ながらの植生を再生し、海辺の集落のイメージで配置されたヒルサイド・ヴィラとオーシャン・ヴィラ

「R・トルソ・C」がfib(国際コンクリート工学連盟)賞を受賞しました。

山下保博 x アトリエ・天工人設計物件「R・トルソ・C」が、世界で最も権威のあるコンクリート構造物の団体 fib(国際コンクリート工学連盟)の最優秀作品賞を受賞いたしました。

fib(fédération internationale du béton)は、コンクリート及びコンクリート構造の学術団体として世界で最も権威のある団体で、4年に一度開催されるfib国際会議の時期に合わせて賞の選考を行っています。今回の最優秀作品賞は建築部門2件、土木部門1件が選出されております。
授賞式は2018年10月9日にfib国際会議のディナーの席上で華やかに行われました。

九州南部の火砕流堆積物シラスを細骨材として利用したコンクリートを建築の分野で初めて用いた「R・トルソ・C」は、2016年に日本コンクリート工学会作品賞、2017年にアメリカコンクリート工学会(ACI)の”総合部門最優秀賞”と”低層部門第1位”のダブル受賞に輝きました。日本、アメリカのダブル受賞と今回の受賞により、コンクリートの重要な賞の四冠を達成したことになります。この小さな建築にこめられた社会的意義を評価してくださった審査員と、多くの困難を共に乗り越えて下さった関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

R・Torso・C

 

授賞式にて 左:山下保博 右:野口教授

-R・トルソ・Cの物件紹介ページはこちら

-シラスコンクリート開発ストーリーはこちら

R・トルソ・Cが、ACI(アメリカコンクリート学会)最優秀賞を受賞しました。

アトリエ・天工人設計物件R・トルソ・Cが、ACI(アメリカコンクリート学会)プロジェクト賞の総合部門・最優秀賞と低層建築部門・最優秀賞を受賞しました!環境にやさしいサステナブルなコンクリートを追求し、東大の野口先生、構造の佐藤淳さん他多くの方々とのチームワークで開発した「シラスコンクリート」が評価され、とてもうれしいです。これを機に、コンクリートに用いられる天然資源が枯渇しつつある問題がもっと注目されることを願っています。

同賞の2016年最優秀賞はネメシス・スタジオのミラノ万博2015イタリア館(ミラノ、イタリア)、2015年はルディ・リッチオッティ設計のヨーロッパ・地中海文明博物館(マルセイユ、フランス)でした。

https://www.concrete.org/news/newsdetail.aspx?f=51701216

イタリアの Dedalo Minosseにて審査員特別賞

アトリエ・天工人の手がけた「R・torso・C」が、イタリアの Dedalo Minosse という賞で審査員特別賞を受賞いたしました。
この賞は、建築家だけではなく、建築家と共に建築に貢献をしたクライアントに送られるという賞です。

http://www.dedalominosse.org/eng/2017_segnalazioni.php

「R・torso・C」は、建築やアートに造詣の深いクライアントご夫妻より「コンクリートで内外部を包み込んでほしい。そして、そのコンクリートが挑戦的であり、環境的であってほしい」というリクエストから始まり、完成まで二年半の歳月を経たプロジェクトです。
捨てられている火砕流堆積物「シラス」をコンクリ―トに使うという新たな試みに、辛抱強くお付き合いいただき、また随所でさまざまなご提案を積極的にいただいたクライアントのご夫妻。
クライアントとの出会いがあり、はじめて天工人の建築が生まれます。素晴らしいクライアントに感謝です。

2016年 WAN Concrete Award

R・トルソ・C2016年 WAN Concrete Award の最終選考6作品に残りました。

WAN Award は、世界72か国が参加し、エントリー総数は1300を超える最も規模の大きい建築賞です。
R・トルソ・C
 はその中のコンクリート建築部門で最終選考に残りました。
2016年WANコンクリート賞を受賞したのは、CKK “JORDANKI” (Menis Arquitectos, SLP) および Salas de lectura, Tepic, Mexico (Fernanda Canales) の2作品。

コンクリート建築部門の審査員を務めたのは下記の4名でした。
・ 新居千秋 氏 (株式会社 新居千秋都市建築設計 代表取締役)
・ Jason Parker 氏 (Make Architects 共同経営者)
・ Elaine Toogood 氏 (The Concrete Center シニアアーキテクト)
・ Simon Anson 氏 (Arup アソシエイト)

”最終選考作品はどれも異なるクオリティを持ち、かつコンクリート使用の素晴らしい事例であるため、一つに絞ることはとても困難だった。”

選考された作品は受賞した作品を含め、それぞれ市庁舎・図書館・コンサートホールなど大規模な施設や公共施設などで、個人住宅はR・トルソ・C のみ。これらの中でR・トルソ・C は健闘し、高い評価を受けました。

残念ながら受賞には至りませんでしたが、最終選考に残ったことはアトリエ・天工人 代表山下の建築を通して環境を考える想いを後押しする結果となりました。以下、審査員による R・トルソ・C への評価コメントをご紹介します。

<R・トルソ・C の評価>
東京の中心に位置するこの住宅は、敷地面積が66㎡と小さい。クライアントの最初の要望は「コンクリートで内外部を包み込み、挑戦的であり、環境的であってほしい」であった。
これに対し天工人は、日本列島の南端にある鹿児島県の火砕流堆積物「シラス」を利用することに決めた。「環境型境型シラスコンクリート」は、砂の60%以上をシラスに変更する事が可能で、調湿、消臭効果が期待できる。建物のコーナーが大きく欠き取られ、それが窓となり空や外部への視界をこの都心の小さな敷地に提供している。

Simon Anson 氏はデザインによって提供される内部空間の広がりに感嘆し、このようにコメントをした。「とても美しい住宅だ。光と空間を探求し、とても多くの性質を兼ね備えている。」

Jason Parker 氏もそれに同意し、次のコメントを残し評価した。「この建築が周辺との関係性の中で佇まうその出で立ちが好きだ。またヴォリュームが彫刻のようにも見えて、とても興味深い。コンクリートがその空間を全て包み込んでいる。」

山下のコメント
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日本コンクリート工学会で表彰されました。

<2016年 日本コンクリート工学会賞で「R・トルソ・C」が作品賞を受賞>

受賞の理由は、クライエントの要望を取り入れ『まさに、挑戦的で環境に調和したコンクリートとなっている』ため。

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受賞式では、受賞者に賞状と七宝焼の立派な盾が贈呈されました。