近代建築を支えてきたコンクリートはこの100年の間でセメント+粗骨材+砕骨材+水という基本の構成材料は変わらないものの、最新の技術を リサーチすると、省CO2型、リサイクル型、超高強度高耐久型など色々な開発が進んでおり、それぞれの構成材料や、配合などの研究が行われ、実用化されているもの、いないもの様々です。今回のコンクリート開発のプロジェクトは「化学する」というキーワードであるため、専門としては、構造力学、構法というよりは材 料工学の分野です。そこで最新の情報をヒアリングするために、コンクリート工学の専門家に、どのような技術が実現可能性があるのかという事を、クライアン ト、構造設計者、施工会社も含めてヒアリングに伺いました。その1時間半ほどのヒアリングの中で様々なキーワードが出てくるのですが、漠然とこの方向が良 いのではないかという事が、その場で共有されていきます。その方向性が定まった段階で、どのようなメンバーが必要かという事も自ずと見えてきます。
ぼんやりとした方向性とメンバーが見えてきた所が、ようやくプロジェクトのスタートです。そこから現実化に向けて様々なハードルが待ち受けているのですが、それをコラボレーションの力で乗り越えていきます。